今年のインターハイでも大人気だった鹿児島実業高校。鹿実RGは、インターハイに出場していたチームとはメンバーが違うがれっきとした鹿児島実業高校新体操部の男子選手たちだ。インターハイ出場は叶わなかった3年生たちで組まれたこのチームは、このオンライン選手権が彼らの「引退演技」となる。鹿児島実業は、例年ならば、秋から冬にかけてはあちこちの演技会に出演依頼が相次ぎ、レギュラーメンバー以外の選手達にも演技披露の機会がかなりある。しかし、昨年からのコロナ禍で今年の3年生たちは、かなり出番を奪われてきた。それでも、今や日本トップレベルの部員数を誇る鹿児島実業では部内での競争も激しく、3年生たちはとくに「最後の年」に懸けて必死の努力を続けてきた。コミカル演技が注目されがちな鹿実だが、その練習はじつに地道でハード。丁寧にアイソレーションをやったかと思えば、黙々と筋トレで汗をかき、倒立歩行も倒立耐久競争もやる。自分の技のとを上げるべく飽くことなくタンブリング練習もする。それはそれは真面目な練習を彼らは毎日、積み重ねている。
表に出るのはコミカルな姿だが、それを高い完成度で行うためのトレーニングは決して他の高校やクラブにひけをとっていないのだ。だから、高校から新体操を始めた選手でも、3年生になるまでにはいっぱしの演技ができるようになる。
今回の鹿実RGは、そんな選手たちの集まりだ。そして、彼らは「鹿実の新体操」が大好きで、鹿実の新体操部に誇りをもっている。だから、ここまで成長できたという姿をこのオンライン選手権では見せてくれるに違いない。演じるのは、「ドラゴンボール」なのか「ウルトラセブン」はたまた「YMCA」？ 県内の大会などでは過去の名作演技を演じてきているだけに、彼らのレパートリーは幅広い。が、今回は、彼らが積み重ねてきた努力の跡が一番よく見える演技をしてくれるようだ。
そう。みんなが一度は見たいと願っていた鹿実の「ガチ演技」。鹿実史上稀に見る能力の高いメンバーが揃った今年のレギュラーメンバーだからできる、と言われていたあの「鬼滅の刃」を、ついに解禁！ 3年生たちは、この作品に恥じない演技をきっと見せてくれるはずだ。
