詳しすぎるぞ!出場チーム紹介!!埼玉栄高校(埼玉県)
毎年、熾烈な優勝争いを繰り広げるインターハイだが、じつはこの10年間は、青森山田、神埼清明、井原。この3校がほぼ優勝を占めている。10年間で唯一、この3校以外で優勝しているのが埼玉栄高校だ。それが2014年大会のことだ。
当時の埼玉栄は年々力をつけてきていたチームではあった。現在の監督・石田渓が監督になり、埼玉栄の特徴であった力強さに、エンターテインメント性を加え、洗練された作品が毎年生み出されるようになっていた時期。しかし、インターハイでは常に5位止まり、という悔しさを蓄積してきた末の初優勝だった。
その後は、優勝からは遠ざかっているが、相変わらず埼玉栄の作品は、「魅せる力」がある。青森山田や井原、名取のような「表現力」とはまた違う魅力があるのだ。あくまでもスポーティーな演技で、繊細な表現を見せるわけでもない。が、いつも選曲の妙があり、見ていて楽しい、ワクワクする、そんな作品を見せてくれるチームなのだ。
ちょうど1年前、石田監督と話したときに、「長い目で選手を育てたい」という言葉を聞いた。たしかに今の埼玉栄を見ているとそう感じる。もちろん、今でも「成せば為る日本一」を掲げてはいるのだが、それが全てではない、とわかっているのだと思う。「成せば為る日本一」は、高校時代でなくてもいいと達観しているようにも感じる。
現に、埼玉栄の選手たちは、大学での継続率が高く、それも、多くの選手が大学で日本一を経験している。2014年の優勝メンバーはもちろんだが、それ以前の優勝には届かなかった選手たちも大学では日本一になっている。それは、高校時代にしっかりと培ってきた基礎、身体があるからこそ、なのだと思う。1年前、「焦らずやっていきます!」と笑顔で言った石田監督が、コロナでの練習不足の中ではあるが、今年はどんな作品を仕上げてきているのか、楽しみだ。
※参考記事(2014年初優勝)
「新体操沼はまり歴20年ライターが見る 男子新体操オンライン選手権2020」