詳しすぎるぞ!出場チーム紹介!!兵庫県立東播工業高校(兵庫県)
男子新体操の強い地域といえば、「東北」と「九州」。少し新体操を知っている人ならそういう印象をもっているだろう。その認識は間違っていない。が、じつは、このところ「近畿」の充実ぶりも侮れなくなってきているのだ。
男子のインターハイ出場枠は、ブロックごとに決まっている(前年度成績によって増減がある)。近畿枠は「2」。この2つの枠を大阪、京都、兵庫で争うことになるが、インターハイには都道府県から1校しか出場できないので、清風一強の大阪府はともかく、京都、兵庫は府大会、県大会を1位通過し、その後のブロック大会で2位以内に入らなければならないのだ。
兵庫県は、近年は尼崎西が4年連続出場を果たしているが、その前は西宮今津高校が出場していた時期がある。さらにその前にさかのぼると、東播工業高校が兵庫県代表だったこともある。兵庫県では男子新体操の古豪、なのだ。
その東播工業高校が、インターハイで周囲の度肝を抜いた年がある。2005年、千葉インターハイの年だ。2005年は、岡山県立精研高校(現在の井原高校)が初優勝を成し遂げた年だが、この年、上位常連校の神埼清明や小林秀峰を上回り、3位に入賞したのが東播工業高校だったのだ。この年の東播工業の団体は、他のチームとは明らかに質の違うタンブリングを武器に迫力満点の演技を見せていたのだ。後で聞いた話では、この年は、体操競技の経験者が複数揃っていたとのことだったが、その力をうまく生かし、評価につながる作品に仕上げた手腕はあっぱれだった。
しかし、その後は、大阪・京都の厚い壁に阻まれ、インターハイ出場に届かない年が続いている。県内でも勝てなくなってきた。昨年の近畿ブロック大会には個人、団体とも東播工業高校が出場しているのを見た。団体には補欠もいて部員も確保できているのがわかった。個人で出場していた3年生は、ハッとさせるようなよい動きを見せていた。シルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマーとしても活躍していた谷本竜也(花園大学卒)にも時折、指導を仰いでいるという東播工業。今年の3年生が抜けると、残る部員は5人になり、全員が高校始めの初心者だそうだが、いつかまた2005年のような大化けを見せてくれることを期待したい。
「新体操沼はまり歴20年ライターが見る 男子新体操オンライン選手権2020」