詳しすぎるぞ!出場チーム紹介!!宮崎県立小林秀峰高校(宮崎県)
男子新体操の団体演技の特徴でもある「高さのある組み」で一時代を築いたのがこの小林秀峰高校だ。
もう10年以上前になるがテレビのバラエティー番組が男子新体操を追いかけていたとき、人が縦に3人重なる高さにまでなる小林秀峰の高い組み技はよく取り上げられていた。そして、その2008年の埼玉インターハイで、小林秀峰(当時の校名は小林工業)は団体競技で優勝。しかし、その後は、常に優勝争いの一角にはいるものの優勝からは遠ざかっている。
現在は、2008年の優勝時のキャプテン・日高祐樹がコーチを務め、監督は、2008年時と同じ永野護が務めている。宮崎県は伝統的に男子新体操部のある中学が多く、そこで男子新体操に出会った子ども達が小林秀峰に進学してくるという「中高一貫体制」を全国に先駆けて確立していた。まだ高校から始めてもインターハイくらいは出られるという時代に、全員が経験者でチームが組めるアドバンテージが小林秀峰には大きかった。が、この10年で各地にジュニアクラブが生まれ、競技開始年齢が下がり、宮崎県の優位は揺るいできた。そこで小林秀峰のOBたちが立ち上がりジュニアクラブを立ち上げ、ジュニアの育成に力を入れ始めた。今年の小林秀峰のキャプテン・長友快成(3年)はその一期生だ。
かつてのような高い組みや強いタンブリングだけでは勝てない時代になって、古豪・小林秀峰といえど、徒手から見直し、鍛え直すことが必須となり、昨年あたりからその変化は如実になってきていた。今年のメンバーには、ジュニア時代に全日本ジュニアで4位になった上江中学出身の選手も入っており、「新生・小林秀峰」と呼ぶにふさわしいチームとの呼び声が高かった。しかし、今シーズンは、まだ県内での代替大会以外、演技を披露する機会には恵まれていない。目前に大会がなければ、より基礎を鍛えることはできたはずだ。
迫力あるサプライズ感満点の組み技も、たしかに小林秀峰の魅力だが、それだけではない!大きさ、深さ、とスピード感にあふれる「ザ・男子新体操」な演技で、今年はさらなる高みを目指しているはずだ。
「新体操沼はまり歴20年ライターが見る 男子新体操オンライン選手権2020」